つめ水虫は日本人10人に1人が感染者について
つめ水虫は日本人10人に1人が感染者している水虫菌(白癬菌)の一種です。つめ水虫は症状が悪化してはじめて治療を始めるケースが多いため、治療期間が数年間かかる場合があります。つめ水虫の症状や治療法を知識として理解しているだけでも、早期発見、早期治療に役立てることが可能です。
つめ水虫は日本人10人に1人が感染者
つめ水虫は、従来の水虫菌と同じく白癬菌というカビ菌が皮膚の角質に侵食して起こる感染症です。実はこの白癬菌と呼ばれる水虫菌は、膚の角質の成分でもあるケラチンというたんぱく質を栄養素として繁殖を繰り返すやっかいな病原菌で、つめにも多くのケラチンを含んでいることから水虫菌は皮膚だけではなく、つめにも感染するのです。これが、つめ水虫と呼ばれる水虫菌です。
つめ水虫は、従来の足の裏など皮膚に発症する水虫とはちがい、かゆいといった症状がありません。つめには神経そのものが通っていないため、自分がつめ水虫に感染していると自覚症状がない場合が多く、つめ水虫に感染していることに気が付かないのです。このため、現在日本全国のつめ水虫患者は1200人ともいわれています。つめ水虫は、日本人の10人に1人感染していると報告されています。またつめ水虫の最近の傾向として、女性のつめ水虫患者が多いということも確認させています。これは女性の生活習慣が原因になっていて、女性は通常ストッキングやヒールといったスタイルアップのグッズを好んで使用します。これが、つめ水虫菌の繁殖を促進する温床になっているのです。
つめ水虫の感染に自覚症状がない原因はつぎのような原因があります。
●つめ水虫はかゆみや痛みを感じない
●水虫は皮膚に発症するという誤った知識がある
●足つめ水虫の場合、目に触れないので気が付かない
つめ水虫の3つの症状
つめ水虫菌が繁殖する条件としては、まず水虫菌の大好きな湿気があることが条件です。わたしたちが生活する日本の気候は、高温多湿な地域にあります。特に梅雨時期がつめ水虫の大量繁殖期を迎えます。高温多湿になる梅雨時期に長靴(ヒール)や靴下(ストッキング)を長時間履き続けていると、皮膚が蒸れた状態になり、つめ水虫菌の繁殖する格好の温床になってしまうのです。靴が皮膚を圧迫するという状態も感染を誘発させるよろしくない状況です。
このような状況から、つめ水虫が発症すると、爪が白色〜黄褐色に濁る、爪もしくは爪の下の皮膚が異常に厚くなリボロボロと剥がれる、爪が変形し巻き爪になり痛みを感じることもあります。また爪の下の皮膚が剥がれ落ちる症状のなかには、水虫菌(白癬菌)と同じ真菌の一種のカンジダが感染したことも考えられます。
つめ水虫のチェック方法
つめ水虫の感染を確認するのにまず、つめ水虫は足の親指の爪にできることが多いので、足の親指の爪から水虫菌の感染がないかチェックしてみましょう。実際のところ、つめ水虫のチェック部位を限定することは難しいのですが、感染率が高くつめ水虫の発症が高い部位は足の親指の爪となります。
つめ水虫の感染確認は足の爪に起こる視覚的な変化でを疑ってみてください。
●つめ水虫の症状 足の爪が白色〜黄褐色に濁る
●つめ水虫の症状 爪もしくは爪の下の皮膚が異常に厚みを帯びる
●つめ水虫の症状 爪が変形したり割れる(重症な場合は痛みを感じる)
つめ水虫の感染は、足に爪の変色にて判断できることが多いのですが、意外とこの変色段階では放置してしまう方が多いようです。つめ水虫に感染したのではないかと不安になる頃には、爪に変形や割れなどの症状が発生し、痛みなどが伴うと、ようやく認識されるようです。またつめ水虫という病気への認識がなく、初期段階では痛みを感じないことが大きな原因です。
つめ水虫の安易な放置は、感染後の治療日数にも大きく影響が及びます。
初期感染であれば、約1年で完治するものも、末期感染ですと10年近く通院しなければ完治しないという事実も報告されている、やっかいな感染症です。
つめ水虫の感染経路と予防
このつめ水虫の感染経路は、空気感染はないとされております。他人から、つめ水虫菌が感染するのは、つめ水虫に感染した感染者がが落とした皮膚の垢などが付着した場合、つめ水虫の感染者と共有して使用する、濡れたバスマットや、スリッパなどから感染する場合が多いようです。特に浴室や脱衣室などの湿気と温暖な条件がそろう場所には注意が必要です。また、つめ水虫の原因となる水虫菌は、高温多湿を好むため、不特定多数の人が出入りする場所、つまり例を挙げるなら、いま流行のスパ(銭湯)や室内プールでも、つめ水虫の感染が多い場所としての懸念が広がります。もしあなたも含めて、ご家庭内につめ水虫や水虫の感染者が人がいる場合、完治するまでは、スリッパやバスマットなどを共用しないようにし、これら水虫菌の付着が予測できる物はこまめに洗濯をすることが予防の第一歩となります。また家族感染している場合には、水虫菌を完全に排除することが必須となりますので感染者全員が同時に治療することが必要です。
つめ水虫菌や水虫菌の白癬菌を微量でも残してしまうと、家族内で再発する恐れがあります。
つめ水虫の治療
つめの真下の部位は高温多湿なつめ水虫が繁殖する条件が整った場所です。水虫菌の感染範囲を拡大させないためには、できる限り足を乾燥させることが水虫予防には効果的です。また水虫に感染した方は、水虫菌がつめ水虫に移行しないように一刻も早く治療を開始していただきたいと思います。つめ水虫は、一度掛感染してしまうと、完治までに早い場合でも1年近く治療時間がかかってしまいます。つめ水虫の場合、市販の薬はあまり効果がないので、皮膚科の医師の診断を受け、塗り薬や内服薬を処方してもらい治療することが、つめ水虫完治への近道といえるでしょう。
病院に行くとまず検査が行われますが、ここでつめ水虫の原因である白癬菌を探します。
つめ水虫がつめの先端部だけという患者の場合は、この塗り薬だけで治ることがあるため、初めは水虫菌の白癬菌を死滅させる塗り薬(抗真菌剤)が処方され様子を見ます。つめ水虫に使用される塗り薬は、爪の中まで浸透させるのが難しいので、つめを削ってから薬を塗らないと効果のないものがあり、つめの濁った部分や厚みを帯びた部分をを削り取り、削った部分に外用薬を塗る治療法が施されます。しかし、水虫菌がつめの内部にまで感染している場合は、内服薬(抗真菌剤)が処方されます。以前よりつめ水虫の内服薬として使用されていたグリセオフルビンは、副作用も報告や完治までに数年かかるケースが多いことから、途中で治療をやめて諦めてしまう人も多くありました。しかし、最近ではつめ水虫用の内服薬も改善され、個人差はありますが、数週間で効果が現れるイトラコナゾール、テルビナフィンといった内服薬が開発されています。この対つめ水虫用の内服薬には、つめ水虫治療を短期間で治癒させる効果があると定評があります。また、つめ水虫治療として最近では、内服薬と併用しながら、つめの数か所にレーザーを照射する近赤外線レーザーを使った治療法が行われる場合もあります。
自然治癒の難しい、つめ水虫の治療には専門家の知識により、正しい治療法にて完全に完治するまで、根気よく治療することが大切です。